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「賀川豊彦の贈りもの」(第8回)(賀川記念館主催「賀川豊彦講座」2008年3月6日)

今回も分割して長くなりましたが、第8回目の今回で最後です。終わりのところで、加藤重著『わが妻恋しー賀川豊彦の妻・ハルの生涯』に触れていますので、この好著の表紙をここにUPして置きます。


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             *           *




             賀川豊彦の贈りもの(第8回・最終回)



        (前回のつづき)


          「賀川生誕百年」: キリスト教界における「賀川問題」


ここで少しだけ「賀川生誕百年」のときのことに触れておきます。
神戸においては、1980年代に入りますと、ようやくにして部落問題の解決の見通しが確かなものになっていましたが、わたしたちのキリスト教界は、だいぶ遅れて80年を過ぎたことから、教団内部の複雑な事情もからんはいましたが、あの「賀川問題」が俎上にのぼりました。


この問題の解決にむけて書き下ろしたのが1988年の『賀川豊彦と現代』という小著です。たまたまその年が「賀川生誕百年」の記念のときでしたが、もう20年も前のことですね。この本は、神戸新聞をはじめ毎日新聞や全国の地方紙のほとんどの「人」欄などでも紹介されてびっくりしましたが、配布した資料のなかにも、新聞記事のいくつかをコピーしていますので御覧下さい。


「賀川豊彦と部落問題」については、その後2002年に『賀川豊彦再発見』をまとめておきました。そして今回の『賀川豊彦の贈りもの』が最新のものですが、これは、賀川豊彦学会とか兵庫県人権啓発協会の「研究紀要」などで発表の機会をいただいて、総括的に整理したものですので、みなさんのご感想やご意見を、何かのかたちでうかがうことが出来れば、ほんとうにありたがいと思います。


この問題は、もっと自由に、公明正大な闊達な意見交換を楽しめたらいいと思うのですけれども、まだまだ宗教界には「タブー」が残っているように思います。イエス団関係のなかではそうではないでしょうけれども、こういう問題についても、じっくり時間をかけて語り合う機会はあっていいと思います。何かのどに骨がひっかかった感じで、ご自分のお考えを表に出さないまま「タブー」を残すのはいけませんから、今回の「賀川献身100年」の取り組みのなかでも、自由な意見交換というのも、あらためて必要ではないかと考えております。


今日は限られた時間ですのに、長々と個人的な昔のことを語らせていただいたので、殆どそれに使ってしまいました。欲張ったことをレジュメにしましたので、つぎの3番目の「21世紀に生きる賀川豊彦」のところも、けっきょく一言も触れることが出来なくなりました。


受付でお渡しした資料には、『賀川豊彦と現代』のなかの「宗教思想の独創性」のところと、わたしの関係している兵庫県高齢者生活協同組合の機関紙でいま連載中の「今こそ賀川豊彦を考える」の4回分、そして「賀川生誕百年」のおりの神戸新聞が掲載した特別に大きな写真入りの社説「賀川精神を21世紀に生かすために」などをコピーしましたので、お帰りになってからでも読み通していただければ有難く存じます。


とりわけ、ふれずじまいになる「21世紀に生きる賀川豊彦」に関しては、新著『賀川豊彦の贈りもの』のなかで、少し立ち入ってまとめていますので、お読みいただければと思います。




            「賀川豊彦・ハル記念館」KAGAWA MEMORIAL HALL



そこで最後になりますが、「結び」のところであげている「KAGAWA MEMORIAL HALL:賀川豊彦・ハル記念館」について、わたしの「ひとりごと」を申し上げておきます。


いま「賀川献身100年神戸プロジェクト」のなかで、来年の暮れに再建される新たしい賀川記念館への夢をいろいろ出し合ってきて、ようやくその基本設計がかたまってまいりました。


いつも面白いアイデアを提起して貢献してこられた賀川督明さんが、新しく建ちあがろうとする建物の1階から4階までの設計画面のイメージを、見事にパソコンでわかりやすくまとめあげられて、ここにきて一気に、このプロジェクトが現実味を帯びてきました。


そして、新しい建物のネーミングを「献身100年」にちなんで「1909」とする斬新な案が、督明さんの私案としていま示されています。おもしろいアイデアだと思います。


御覧のように現在のネーミングは、「賀川記念館」と大きく書かれ、その下に小さく「KAGAWA MEMORIAL HALL」とありますね。そこで、これからがわたしの「ひとりごと」です。


わたしは「1909」という斬新なものでも、現在のままでもOKではないかと思いますが、すこし変化をもたせて「賀川豊彦・ハル記念館」と名づけられれば嬉しいなと、いつの日からか思うようになっているのです。新しい本のなかにもちょっと「ひとりごと」を書いておきました。


東京には「賀川豊彦記念松沢資料館」があり、徳島には「鳴門市賀川豊彦記念館」があります。神戸には「賀川豊彦・ハル記念館」というのも、いい感じじゃないですか?

 


       『わが妻恋し―賀川豊彦の妻・ハルの生涯』



若いころ、この記念館の蔵書にあるハルさんの名著『貧民窟物語』を読んで、とても感銘を受けた記憶があります。小さな作品ですが、女性の目と感性をもってしなければ書き表せないような描写はもちろん、この作品には問題をとらえる確かな視点があったように思います。その部分は、何かに引用した記憶がございます。古書店にも出ませんので、もういちどお借りして読んでみたい作品です。これは『死線を越えて』が出る、ほんのすこし前に出来た作品ですね。


また、復刻もされている『女中奉公と女工生活』もよく読まれましたし、ハルさんには、戦後はやく出版されたふたつの小説『太陽地に落ちず』と『月 汝を害はず』などもありますね。まだわたしは『月 汝を害はず』は読んでいませんけれども。


そしてみなさんのなかには、加藤重さんの1999年の作品で「賀川豊彦の妻・ハルの生涯」という副題がつけられた『わが妻恋し』という、立派なハルさんの伝記を読まれた方もあると思います。作家の瀬戸内寂聴さんの推薦と書かれた本の「帯び」には、「かくも清き至高の夫婦愛:混迷の世紀末を照らす聖火・賀川ハル」などと記されていて、内容も大変よくできた伝記です。


来年完成する新しい記念館の名前に、ハルさんのお名前が加わるだけで、たとえば「コープこうべ」のみなさんも、新しく来館されるとくに女性の方たちにも、どこか親しみが湧くのではないでしょうか? 声を出して「賀川豊彦・ハル記念館」ってことばにしてみても、すこし洒落た響きが加わるようにおもえるのですが、どんなものでしょうか。わたしの「ひとりごと」に過ぎませんが、何度も「ひとりごと」を言ってみるのも、いいかもね。




        「みめぐみを 今日もたたえて 我は行く」



丁度これで予定の時間になりましたが、あとひとことだけ加えさせていただきます。
先日、昭和25年出版の『信仰・愛・希望』を読んでいましたら、「沈む夕日」という短い詩が入っていました(134頁)。この近くの公園に建てられている先生の記念碑に「死線を越えて 我は行く」という自筆の文字が刻まれていますが、この詩の冒頭は、このことばで始まっています。


今日のお話の最後に、ぜひご紹介したいのは、この作品の最後のパラグラフです。
ここには詩のタイトルとなった「沈む夕日に」につづいて、つぎの3行で結ばれているのです。


      みめぐみを
      今日もたたえて
        我は行く。


賀川豊彦の全生涯は、「みめぐみをたたえて」生きる「神讃美」の生涯でした。たんなる「自己賛美」ではありませんでした。


わたしたちがいま「賀川献身100年」を記念することは、先生が若き日に「みめぐみ」に出合い、「みめぐみ」に目覚め、「みめぐみ」を生き、「みめぐみ」を「たたえて」あゆまれた、先生の「神讃美」の全生涯を、わたしたちが新たにまた、「みめぐみ」を「今日もたたえて」「我は行く」「神讃美」のよろこびを、ともにしてゆくことだと思います。                 (「沈む夕日」の初出は第2詩集『永遠の乳房』67頁)


予想どおりのまとまりのない「放談」になってしまいました。ご質問の時間もとれず、5分ほど予定を過ぎてしまいました。我慢してお聞きいただいて、ありがとうございました。
                                (拍 手)


司会(杉原) 鳥飼先生、本当にきょうはありがとうございました。次回の賀川講座は、5月17日の土曜日、午後2時から賀川記念館のほうで行います。コープこうべの高村先生のお話を予定しています。各団体でPRもさせていただきますがよろしくお願いいたします。
 








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