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新連載「賀川豊彦」のぶらり散歩―作品の序文など(第9回『イエス伝の教え方・附少年宗教心理』)

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「ぶらり散歩」今回は近くの新湊川の美しい散歩道。(本日の別のブログ「番町出合いの家」より)





            「賀川豊彦」のぶらり散歩


              ―作品の序文など―
        

           第9回


          イエス伝の教え方 付録・少年宗教心理


            宗教教育研究叢書 第1篇

           大正9年10月4日 日曜世界社 



 『死線を越えて』が大正9年10月3日に改造社より出版され、爆発的な売れ行きとなりましたが、翌日4日に日曜世界社で出版されたのが、この『イエス伝の教え方』でした。

 賀川の本書は、日曜世界社(西阪保治の創設した日曜世界社は、この本の奥付を見ると「大阪市南区貝柄町330」に所在していました)で出版した最初の著書となりました。

 日曜学校教師を対象にした講義記録で、大正8年2月20日~11月27日まで9回連載で「基督教世界」に発表の後、「宗教教育研究叢書第壱篇」として纏められています。

 「イエス伝の教え方」は164頁で終わり、その後に「付録・少年宗教心理」が38頁加えられています。ノンブルも別々に付けられている珍しいつくりです。ポケット版のモダンな装丁で、表紙の文字は賀川の筆書きのようです。

 なお、昭和6年5月には、表紙の装丁を代えて第7版が出ていますので、初めにその2冊の表紙を並べてあげて置きます。


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 ところで、本書の巻頭には「1920年2月」の日付の賀川豊彦の「序」があり、その前に「1920年9月」付けの「日曜世界社編輯部にて・吉田源治郎誌す」という文章が掲げられています。しかも双方ともに、ほかにはあまり例を見ない「赤文字」で特別に印刷されています。

 既に別のHP(「賀川豊彦献身100年記念事業オフィシャルサイト」での長期連載「KAGAWA GYARAXY 吉田源治郎。幸の世界」)でも書きましたが、当時すでに賀川と西坂・吉田らは特に宗教教育の分野でも同労者で連絡を密にし、賀川と吉田ともすでに緊密な関係が結ばれていく時の傑作です。恐らくこの賀川の講義筆記は主に吉田源治郎が行い、著作にまで仕上げたものと思われます。周知の通り、吉田源治郎による賀川講演筆記による著作づくりは、主に初期の名作として次々と誕生していきます。

 ともあれ本書は、内容的にも賀川豊彦の持ち味が存分に盛り込まれた読み物ともなっています。
 そこで今回は、初めに吉田源治郎の言葉をスキャンし、賀川の「序」を取り出して、その後に原書のスキャンを加えて置きます。


追加





                    


 「イエス伝をどう教えるか」ということは、またイエスをどう学ぶかということであります。私らはもう少し深くイエスを知りたいのです。そのために私は、うぶな心にイエスの話を植えてみましょう。老いかつ腐った成年者の心には、新しいイエスの発見はできませぬ。しかし歪みのない、新しい人間―子供―の心には、新しいイエスの種が生えます。つまり、イエスを蒔くことは、新しいイエスを知るひとつの工夫であります。

 もっと深くイエスを知りたい。その強き憧れから、今日の「非イエス的教育法」に裏切って、私はイエス・メソードの主張者になります。イエスのように明るい、イエスのように愛の深い人が百人産まれたとしても世界がひっくり返ります。そのために、私は社会革命中の社会革命の根本要素として、イエスの一生を今生まれたばかりの子供の心の中に投げ込むのです。火は燃え上がらざるを得ないのです。このいと小さきもののひとつを躓かすは、挽臼を頸にかけられて、海に投げ入れられる方が勝っております。

 イエスを教えることは、愛の仕事であります。そして愛と神のあるところに、イエスの心が成長します。私はイエスを教えるために先ず貧しきものを愛しましょう。イエスとはすなわち愛することにあるのです。貧民窟におって、私はいっそうそれを感じます。私は日本の多くの日曜学校の教師諸君がイエスを教えるために、愛に成長せられんことを祈ります。

  1920年2月
                                       著   者

                                        神戸貧民窟にて

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