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新連載「賀川豊彦」のぶらり散歩ー作品の序文など(第17回『空中征服』)

追加


今回の「ぶらり散歩」は「松本うめ公園」です。震災で大半が焼失したこの街につくられた小さな公園です。



              「賀川豊彦」のぶらり散歩
   

               ―作品の序文など―

   

                 第17回

                 

                 空中征服


         大正11年12月13日 改造社 380頁




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 賀川の小説の第一作はいうまでもなく大正9年の『死線を越えて』であり、その「中巻」となる『太陽を射るもの』が翌年(大正10年)に出版されました。そして本書『空中征服』はそれに続いて大正11年の年末に出ています。

 この大正11年に出版された賀川の作品は、本書の3日前に『生命宗教と生命芸術』が、その1っか月前に『生存競争の哲学』が、その他『星より星への通路』『聖書社会学の研究』などが量産されています。

 賀川の生活は『死線を越えて』以後、その生活は激変していた中、大正11年に彼は「大阪日報」に82回にわたる連載小説を執筆していたのですから驚きです。

 それがこの歳の暮れに完成して、これまた「刊行10日で11版を重ねるベストセラーとなった」といいます。手元の原書は、初版が13日に発行されて、その4日後の第5版です。


         *               *


 この小説は新聞連載のときに、自ら挿画も描いていたのでしょうか、81枚もの彼の風刺画が収められています。どれもこれも賀川の得意満面の逸品です。はじめの数枚をここにスキャンしてみます。


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現物をまだ見ていませんが、本書は昭和3年に装丁を代えて改版がつくられています。

そして「賀川生誕百年」の記念の翌年(1989年)には、日本生活協同組合連合会が「CO・OPライブラリー」の第3巻として新版を刊行しました。これには、金井新二氏の「解説」と賀川純基氏の「あとがき」がつけられています。それが次のUP分です。そしてこの年に、社会思想社の「現代教養文庫」の一冊に加えられました。


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 『賀川豊彦全集』第9巻にも本書は収められていますが、巻末の武藤富男氏の「解説」には、戦前に賀川が武藤にこういったと書かれています。

「私は絵描きを志していれば相当な画家になれた。私は描こうとする映像が、まだ描かないうちに眼前に浮かんでくる」





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