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新連載「賀川豊彦」のぶらり散歩―作品の序文など(第26回『死線を越えて・下巻・壁の聲きく時』)

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現在「アートホール神戸」で開催中の「庶民の信仰:円空展」に出掛けてきました。この「大黒天」素晴らしかったですよ。27日までです。高齢者無料というのもありがたいデス。



              賀川豊彦」のぶらり散歩   


                ―作品の序文など―


                 第26回


           死線を越えて 下巻 壁の聲きく時


          大正13年12月1日 改造社 510頁


 賀川豊彦の代表作である小説『死線を越えて』は大正9年10月に改造社から出版され、大ベストセラーとなったこともあって、その続編がおよそ1年後の大正10年11月に『太陽を射るもの』と題して「中巻」として刊行されました。

 「下巻」はその2年後、大正13年12月に『壁の聲きく時』を完結させ、「賀川の神戸時代」を書き切りました。

 手元にあるものは初版本ですが、1968年春に神戸の下町で在家労働牧師を目指して新しい歩みを始めてまもないときに、ゴム工場の近くにあった長田区内の小さな古本屋さんで見つけたものでした。

 本の背や本体もずいぶん痛んでいますが、私にとっては、ゴム労働の修行中によみ通した想い出深い本でもあります。


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 本書には上巻・中巻いずれにもなかった「序」にあたる一文が入っています。

 そして、どうして私の手元にあるのか失念していますが、松沢資料館所蔵資料のコピーが3枚――『死線を越えて下巻壁の声きく時』の原稿――があります。

 大変貴重な資料ですが、ここに重要な「序」(読みやすくテキスト化しておけばよいのですが、小説をお持ちの方が多いでしょうから、このままで)と、3枚のコピーをUPして置きます。


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 なお、この「下巻」も「上巻」「中巻」とともに昭和2年に「縮刷版」が出ています。なぜかこの「縮刷版」では「下巻」にあった大切な「序」が省かれています。

 そして本書は、昭和58年には社会思想社の現代教養文庫に『壁の声きく時―続々・死線を越えて』も刊行されました。

 ふつう『死線を越えて』といえば、上巻をさすかのように最近の復刻版は出回っていますが、追って地理あげますように、『死線を越えて」は、改めて強調するまでもなく、上中下の三部作で完結した大作です。


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