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新連載「賀川豊彦」のぶらり散歩―作品の序文など(第67回『神に跪くーその日その日の祈』)

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今回も上の写真は、横山春一著『隣人愛の闘士・賀川豊彦先生』(昭和27年)所収のものです。



「賀川豊彦」のぶらり散歩
   

―作品の序文など―

      第67回


    神に跪く―その日その日の祈


        昭和7年12月12日 日曜世界社 326頁


 手元にある本書『神に跪く―その日その日の祈』は、昭和10年に刊行されて再版です。日曜世界社では既にここで取り出した賀川豊彦の『神と歩む一日』を出版して、このときそれの「好評第5版」の広告が巻末に収められています。いずれも365日分の構成で仕上げられています。

早速ここでは、表紙・扉などと「序」並びに「例言」を収めて置きます。


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                   神に跪く

                    

 手にて造らざる大自然の神殿には、神の不思議な光が漂ふてゐる。凡ゆる物質は神殿の幔幕の模様である。私はこのうるはしい幔幕の模様をみつめながら、不可思議なる恩寵の聖座の前に脆く。

 歴史は間断なく進み、社会の動揺は、人間の喜憂を通じて流れてゆく。そのいたましい歴史の中にも、私は神の不思議な黙示を拝することが出来る。

 あゝ、そして私は、それよりも更に尊い黙示を、神の神聖なる救の記録である聖書の中に拝することが出来る。イスラエル民族の経験は、神が地球の一局部で為し続け給ふた一細事ではない。殊に、イエス・キリストを通して示し給ふた愛の記録は、人間の勝手な仕業ではない。人間の命が勝手に作り出したものでない如く、キリストの愛も、神の大きな黙示である。

 かうして、私は、大自然の聖殿に、歴史を通しての秘曲に、更にキリストの愛に疑ふべからざる神の約束を信じ、神に跪く瞬間が決して無効でない事を深く學び得た。病む日、悩む日、貧乏に苦しむ日、私は静かに神に跪くことをいつとはなしに教へられた。労働争議の激動の中に、小作争議の雄叫びを越えて、私は神に跪く瞬間を盗んだ。曙に、黄昏に、真夜中に、さらばまた真昼に、私は宇宙の創造者、私を放し給はざる天の慰め主に、ひそかに私語する秘密を學び得た。流れ行く激しき過労の生活にも、祈祷の思念は連続する。

 労働と祈りとは、私にとって二つではない。祈りつつ労作し、労作してはまた神を見上ける。祈りは私にとっては金城鐡壁の隠家であり、勝利の高殿である。その勝利の高殿が、低迷の罪の子等をさし招く。曙の空を揺がせて明日の祈りを報する鐘が鳴る。

 友よ、床を抜け出て神の前に跪かうではないか! 夕静かに薄れゆく夕陽を西にみつめる時、祈りの鐘が聞える。田園に、工場に、店頭に働く人々も鍬とハンマーと算盤を捨て、神の御前に脆くがよい。こみ上けてくる感激の泉は、貴き聖座の前に懺悔と感謝の祈りとなって注ぎ出される。病床に悩む日、獄房に泣く日、祈りの聖座には、神もまた御顔を向け給ふ。

 あゝ、物質の凡ゆるものが神の神秘として、私に跪座を勧める。私はあらゆる瞬間に、神の乳房に吸付く心持で、聖座に跳くことを無上の光栄と考へてゐる。祈りは、天の父に献けられる最上の燻香である。あがれよ、祈りの燻香よ! そして輝かしき宇宙の幔幕の蔭に、栄光のうるはしき香をたでるがよい。

   一九三二、一〇、二一

                                賀 川 豊 彦
                                    武蔵野の森蔭にて



                   例言


 この書は、過去約十余年間の私の祈りを、黒田四郎氏、吉本健子姉等が親切にも一々筆記して置かれたものを、二氏の手によって編輯せられたものである。それで殆んど凡てが公の機會に祈られたものである。わざわざ書いた祈りは、この中の数編しかない。愛する同志達が、キリストが教えられた通り無理のない祈りをこの上に加へられて、赤ん坊が、自由な気持で母に接近してゐるやうに、自由な気持で神に祈って頂きたい。

 私はこの祈り書物が前に出版した「神との對座」といふ祈りの書物にない新しいものばかりであることを喜んでゐる。

 この書が出版されるに当たって私は特にこれを筆記し、これを編輯せられた黒田四郎氏と吉本健子姉に感謝の意を表する。



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