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新連載「賀川豊彦」のぶらり散歩ー作品の序文など(第115回『新協同組合要論』)

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「初体験・須磨アルプス」(同時進行のブログ http://plaza.rakuten.co.jp/40223/)




賀川豊彦」のぶらり散歩
   

―作品の序文など―

      第115回


新協同組合要論


  昭和22年11月25日 日本協同組合同盟 132頁


 本書『新協同組合要論』は、戦後昭和21年6月に出版した『協同組合の理論と実際』(ラッキー文庫)につぐ賀川の重要な協同組合論です。後に昭和43年10月に、明治学院生活協同組合より、賀川の論攷「家庭と消費組合」を併せて『賀川豊彦協同組合論集』として刊行されました。それには、畑井義隆・金井信一郎の一文と市瀬幸平の「賀川豊彦の協同組合論」という解説が収められています。

 ここでは、本書の表紙と賀川の「序」、そして明治学院版の表紙を収めて置きます。




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                 『新協同組合要論』

                     


 人間だけが協同社会を組織するのではない。鳥も、獣も、昆虫も、その本能に応じて協同社会を組織する。干鳥はシべリアを出発して赤道を南に越え、オーストラリアの南端、タスマニアのバス海峡で産卵する。彼等が組織する集団は、おどろくべき市街地の形を備え、街路をつくり、区画をとり、丸石を置き、一つの画に夫婦が一番づつはいって、おどろくべき社会組織を形成する。そこには暴力もなければ、武力も無用である。幾十万年間、彼等はその本能を変えない。シベリアを立つ時には、雄と雌とが別々の集団をなして南に飛ぶが、赤道を越えても決して乱婚はなく、そこには道義と秩序が人間の想像以上に完全に守られている。

 私は千鳥のことを思うと、人間であることを恥しく思う。「空の鳥を見よ」とキリストは烏を指さしたが、私は小鳥から学ぶことが多い。干鳥には、敗戦もなければ革命もない。幾十万年間、赤道を北に南に人類の興亡を下にみて悠々と転地する。もし、干鳥類があのうるはしい道義世界をつくり得るとすれば、人類に協同組合社会をつくり得ないという理由がない。人類は、いまや進化の過程にある。おそらく、近いうちに干鳥のごとく高度に進んだ協同組合社会を創造し得るだろう。私はその日のために、あらゆる努力を惜しまない。三十年近く、私は目本の協同組合運動のためにたたかって来た。左翼からも右翼からも烈しい圧迫を受け、愚者のごとく組合運動のために努力してきた。そして、私はアメリカ政府の要求に応じて、一九三六年には、アメリカ合衆国四十七州協同組合運動の組織をお手伝いした。終戦後、日本を再建する唯一の道が協同組合運動にあることを信じて、同志とともに力闘した。

 この書は、古くから私か抱いている協同組合思想を要約したものである。友人、斎藤潔、黒田四郎、岩浅農也、神戸章子の諸氏が私の講演を筆記し、さらにこれを編集してくれたものである。

 「米国華府消費組合条例」は、米国でも標準的な消費組合法として広く知られているものなので、日本協同組合同盟中央委員竹内愛二氏の訳出されたものを、特に巻末に付録として掲げたものである。
 ここに改めて諸氏に感謝する。

  一九四七年大月九日
                             賀 川 豊 彦




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