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「賀川豊彦」のぶらり散歩―作品の序文など(第138回『賀川豊彦全集3」第1回配本「月報1」)

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「神戸・布引ハーブ園」(本日のブログ「番町出合いの家」http://plaza.rakuten.co.jp/40223/)



賀川豊彦」のぶらり散歩
   

―作品の序文など―

      第138回


賀川豊彦全集3』(第1回配本「月報1」)


  
『賀川豊彦全集』の第1回配本は、昭和37年9月10日に第3巻からスタートしました。毎月刊行して2年間で完結させる大きな企画でした。

かつて長期連鎖をした「武内勝所蔵資料」の中の「武内日記」には、この全集刊行と普及に努力される様子が書き込まれていたことを思い起こします。

配本された各巻ごとに4頁の「月報」が付けられましたが、ここではケースの表紙と本体のはじめに収められた写真並びに「月報」の中から、寄稿文章を選んで取り出しておくことにいたします。

今回はその第1回ですので、「月報」の武藤富男氏の「本全集かの刊行について」と西坂保治氏の「賀川書の出版と私」を収めます。西阪氏のことに関しては、これも長期連載の「KAGAWA GALAXY 吉田源治郎・幸の世界」に、いくらか触れさせていただきました。



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          「賀川豊彦全集」月報1(昭和37年9月)

               本全集の刊行について

                 武藤 富男


 賀川豊彦全集を出版したいという願いは、賀川先生在世中からみんながもっていたのですが実現しませんでした。先生の召天後、昭和三十五年になって賀川豊彦伝の著者横山春一氏は、賀川全集の出版を企画し、全三十六巻を三年がかりでやることになり、雲柱社が出版元となってカタログを配布し、数十名の申込を受けたのでした。

 しかし、雲柱社関係者の中に、その実現をあやぶむ方が出てきました。その理由は、三年がかりでは長期に過ぎること、全巻三万円では読者の負担が多すぎること、採算がとれる見込みが立たないことなどがありましたので、私はキリスト新聞社の幹部と相談しました。その結果次のような試案ができました。

 一、賀川全集は八ポニ段組とし、二十四巻に圧縮し、全巻一時払二万円とすること。
 二、賀川全集刊行会を組織し、賀川先生と関係の深かった方々を刊行会員にすること。
 三、刊行会は一口二万円の会員を募集し、千口を集めること。
 四、刊行会において約千口を集めた時は、刊行会はキリスト新聞社をして発行させること。
 五、キリスト新聞社は刊行会員に頒布するもののほかに、全巻二万四千円にて一般にも市販すること。

 以上のような試案を、昭和三十六年十月に組織された刊行会に提出しましたところ、その賛同を得ましたので、刊行会理事会の御指導のもとに、刊行会事務局長及びキリスト新聞社職員が刊行会員を募りました結果、日本において約九百名、アメリカにおいて約百名の刊行会員(二万円払込み又は払込み約束の方)ができましたので、いよいよ予定通り昭和三十七年九月から発行する運びとなりました。

 ここに本全集に御協力下さいました刊行会の方々に厚く御礼を申しあげます。

 さて各巻解説の件ですが、各巻毎に各方面の方々に解説の執筆を御願いするという案が ありましたが、そうなると解説が間に合わないことがあり、解説が間に合わないために、 全集の発行がおくれては相すまないと思いましたので、潜越ですが、私が全集各巻の解説 を引受けることにいたしました。

 全集一巻は、四六判の本にすると約千頁ありますので、毎月賀川先生の等作千頁を読ん で、これを咀嚼し、その成立の由来、内容の要点、味うべきところなどを書くわけですが これはなかなかの仕事です。       
 私は個人的に永く賀川先生に接しましたので著作を読むに当っては、単に著作として読 むだけでなく、生前先生と親しく交わった体験や先生が私に与えてくださった教えや感化なども織りまぜて書きたいと思っております。

 賀川先生の宗教的著作は講演筆記か多いのですが、これを集大成して理論づけると賀川神学が成立し、後世を益するのみならず、現代の教職信徒をも益するところが多大であると存じます。その意味で、この全集は、必ず日本のキリスト教界に貴重な材料を提供することでありましょう。

 先生の詩、随筆、小説等は、もう一度読み返すと、新しい時代に明治大正時代のよいものを再現することになり、単なる懐古趣味ではなく、永遠に生きる先生の思想と信仰と贖罪愛とを、二十世紀の後半の人々の心に印刻することになります。

 先生の経済論、科学諭、協同組合諭等は宗教的著作に劣らず重要なものであり、私は解説を書くことにより、これらの著作の中から先生が胸中に描いていた先生の理想と神の国の思想とを学びとりたいと思っております。

 二十四巻の解説を書きあげてしまうならば、賀川先生の人格と著作との両方に親しくふれたこととなりますので、この上もない恵みであると思い、感謝してこの仕事をさせて頂きます。(昭和三十七年七月)





                 賀川書の出版と私

                  西阪 保治


 賀川全集の一部分が、待ちに待った申込者の手元に送られる日が近づいた。当事者の骨折りは大したものに相違ない。わけても、これを完成するまでには、まだまだ苦労か多いことと思う。当事者の上に主のみ助けとみちびきを祈るや切である。

 賀川先生の処女出版といえぱ「貧民心理の研究」(大正四年)で、その頃神戸にあった福音舎から発行された特異の研究害であった。次に同じ福音舎がら出版されたのは「友情」で、これはダビデとヨナタンの児童向き聖書物語である。(卸高評を乞う、西阪兄、豊彦)と自署して私に送って下さった。当時私は「日曜世界」というキリスト教の児堂文学雑誌を出しいた関係かも知れない。

 それまで私は賀川先生とは余り親みはなかったが、この「友情」を機縁に賀川先生と私の間に、次第に主にある友情が深まっていった。あの小便の流れている新川の貧民窟に先生をたびたび訪ね、先生もまた今宮宅をお訪ねくださったのはそれからのことである。

 その後、私は重病で大阪市民病院(現在の大阪市大附属病院)に入院することになった。当時市民病院は死人病院ともじられる程評判はよくなかった。容態はいよいよ悪化、どうやら病院のもじり名が私の上に実現しそうになった。後できくと、身ぶりや関係筋では、ぼつぼつ葬式の支度までしていてくれたそうだ。

 私のこの様子をきかれて病院にかけつけて下さった先生は、私の枕辺に立って、私の頭に手をおいて熱心に祈ってくださってから、「君! 奇蹟は今もあるよ!」と、力強く私の耳もとでささやいて帰っていかれた。そして1ヵ月程経過して、再度先生か病院にお訪ね下さった時は、私はべッドの上にあぐらをかいて、食堂から取りよせた定食をがつがつと食っていた。

 「奇跡だ! 奇跡だ!」これはその時、私の前に立って、しょぼしょぼとした両限を見開いて、私を見つめながらくり返された先生の思い入った、そして如何にも嬉しげな言葉であった。私に「逆境への福音――残された刺」の約束をして下さったのもこの時であった。

 「この書は、吉田源治郎氏、村島帰之氏及び今井よね姉が筆記して下さった私の宗教講演集をまとめたものであります。酉阪氏が多年宿病に苦しまれつつ尚努力して居られることを見て、私は感激の思をもって、同氏にこの宗教講演集一冊を捧げるものであります。我等の同志である太田又七氏は、西阪氏慰問の目的を以って、経済問題を離れ、労働を捧げ、これを印刷、単行本に仕上げて下さったのであります。酉阪氏は確かに、我々のこの心持ちを受取らるべき価値ある人だと思います。以下略」

 以上は「残されたる剌」の序文の一節で、これを私の見舞として下さった初版一千部は忽ち売れ切れ、つづいて先生の許可を得て、日曜世界社に版権をいただき再版重版することとなった。そして遂に(一版を一千部とするならば)三十幾版を重ね、凡そ日曜世界社出版書の最高峯を実現するに至ったのは全く嬉しいことであった。定価は、物価の安い時代であったとはいえい 一部十銭としたのは、いささか神と先生とへの感謝の微意に他ならなかったのである。

 「残されたる剌」につづいて出版したのは「山上の垂訓」、これもまた奉仕価十銭で相当に版を重ねた。「神と歩む一日」も好評、これは戦後キリスト新聞社に譲った。現在同社で版を重ねて発行している。その他日曜世界社で引き受けさせてもらうたものは、比較的伝道ものが主であった。また児童ものも相当にあった。それらの総数は今記憶にない。不思議なのは、ただ一冊「約束の聖地」と題した小説があったが、どうしたものか、これに限って再版どころで、それ以上に伸びなかった。折角のものが、日曜世界社の色合いにそぐわなかったのだろうか、残念至極であった。

 先生の著書が全集となって世に送られることは真に結構なことではあるが、その中で伝道に関するものは、ただまとめて置くというだけでなく、岩波、角川、新潮あたりの安価な文庫本となって、全集以外に広く文書伝道に使用されることを念願するのは私のみであるまいと思うが?(一九六二・六・七) 
       〔にしざか・やすじ=牧師、大阪女学院理事長、新教出版社取絲役、元日曜世界社社長〕





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追加






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おっすww

B6g88BLB
久しぶりwww
元気してんのか?
俺は相変わらず、美味しい思いさせてもらいまくってるぜwww
http://Ep11n5pf.www.i-comm.mobi/Ep11n5pf/
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このブログのほかに同時進行のブログもうまれ全体を検索できる「鳥飼慶陽著作ブログ公開リスト」http://d.hatena.ne.jp/keiyousan+toritori/ も作ってみました。ひとり遊びデス。

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