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「賀川豊彦」のぶらり散歩ー作品の序文など(第180回:黒田四郎著『私の賀川豊彦研究』)

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「剣山登山」(今日のブログ「番町出合いの家」http://plaza.rakuten.co.jp/40223/)



賀川豊彦」のぶらり散歩   

―作品の序文など―

      第180回


黒田四郎著・島村亀鶴・武藤富男序『私の賀川豊彦研究

  
 黒田四郎氏は、前回取り上げた『人間賀川豊彦』の著作を仕上げたあと、氏の最後の作品となった上製本『私の賀川豊彦研究』を1983年に、前回と同じくキリスト新聞社より上梓されています。

 ここでは、本書に序文を寄せている島村亀鶴氏と前著と同じく武藤富男氏の「序」を取り出して置きます。そして、本書の奥付にある黒田四郎氏の「略歴」も。

 黒田氏とは、一度もお目にかかることはありませんでしたが、「黒田四郎関係資料」はいま、身内の方のもとで大切に保存整理されているそうですので、いつの日か公開されていくものと期待しています。

(なお、全く個人的な思い出ですが、ここに序文を書いておられる島村氏は、私の牧師試験の面接の折、牧師となると同時に「在家労働牧師」の実験を始めることを申し上げましたら、「そうか、それは残念だね。しかし、その労働牧師という実験も、楽しみだね。」と笑顔で応じてくださったことがありました。)



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                              島 村 亀 鶴

 本書は、黒田四郎先生の日本のキリスト教界に送る、最後の書物である。先生からの、私宛の手紙に、そう書いてある。それだけに、それこそ心血をそゝいで、書いてあることがわかる。

 賀川豊彦先生と、黒田四郎先生夫妻とは、その青年時代からの知己であって、賀川先生の事なら、箸の上げ下げまでも、くわしく知っておられるのである。そのため、本書に書いてある一つ、一つの内容も、みんな目撃したものであり、また生涯忘れることの出来ないものばかりを選んで、書いてある。

 ことに、これらの内容は、今後の賀川豊彦研究のためには、なくてならぬものであり、日本の全教会の教職と信徒とが、明確に把握しておらねばならぬものである。

 今日までの日本のキリスト教界の人びとは、貧民伝道者賀川豊彦、社会事業家賀川豊彦、世界平和実践者としての賀川先生、を知ってはいるが、日本伝道者としての賀川先生の真面目に目を注ぐことを忘れている。賀川豊彦先生こそは、まさに「使徒行伝に一章を加えた」日本の伝道者であり、地の果てにまで福音を宣べ伝えた、キリストの証人であった。ことに、贖罪を神学論的に述べたのでなく、十字架の福音を、身をもって生きた伝道者であった。

 「キリストを見たければ、俺を見よ!」と、真実に言い得た人として、私たちは賀川豊彦先生を、見直さねばならない。

 本書の中に「賀川先生の初恋の女性について」の目次がある。人間賀川の側面がよく出ている。これも、著者ならでは、書けない文章である。

 私は、著者黒田先生に、感謝すると共に、目本の全教職、信徒に、本書を読んで頂きたいと、願っている。

     一九八二年八月




                   序―日本のボズウェル

                               武 藤 富 男


 黒田四郎先生が賀川豊彦に関する書物をあらわす毎に、「ここに『サムエル・ジョンソン伝』を書いたジェームス・ボズウェルに比すべき人物がいる」と感じてきた。

 サムエル・ジョンソンは古本屋の子として生まれ、独力で『英語辞典』をあらわし、晩年には『英国詩人伝』を書いた十八世紀の文豪であった。ボズウェルはジョンソンより二十一歳若い貧乏弁護士であったが、文筆に志し、いくつもの作品を出した後、ジョンソンと知り合い、その生活を日誌に記録し、共にヨーロッパを旅行し、その間ジョンソンの人物と行動と思想とをおのがものとし、これをことこまかに描写することによって、ジョンソン伝の大著を世に送った。

 黒田先生は賀川より八歳の年少であったが、この偉人と生活を共にし、いっしよに伝道旅行をし、彼の口授によりいくつもの本を造ってその著として出版し、偉人の言行はもちろん、彼の思想、殊に彼の信仰とその実践とを知りつくした。

 この度、手持ちの資料のほか、多方面から資料を集め、これを九項目に整理分類し、これを研究した成果を本書として発表した。すなわち世界平和、農村革新、著述、伝道、祈祷生活、神学思想、幼児教育などの分野である。最後に「賀川先生の初恋の女性について」があたかも一輪の花のように添えられている。

 これら各項には、黒田先生が賀川と親しく交わったその体験と感想とが織りこまれているので、一般の「研究」とちがい、賀川の生活と信仰と思想とが、著者の体験を通して生き生きと描かれている。他の賀川研究家のあらわしえない作品である。

 この作品が、もし美訳されて読まれるならば、「黒田の賀川研究」として、ボズウェルの『ジョンソン伝』に劣らぬ名声を欧米において博するであろう。

     一九八三年一月



                      あとがき


 私は九歳の時、日本基督堺教会で伝道者にして頂く決心をしました。それで三、四年してある若い伝道師が赴任して来られた時、母はその若先生にお願いして、母一人子一人の私の家の二階に住んで頂き、私を指導して下さるように頼みました。その方こそ若き日の鈴木伝助先生です。鈴木先生は各地で立派な伝道牧会をされ、また賀川先生の無二の親友であり、若き日の北村徳太郎氏を導き、大戦中は東京で神学校の校長もされた方です。数年前に召天されるまで六十年間も私を導いて下さった恩師です。

 その若先生が私の旧制中学一年の時、神戸神学校へ私の家から通学されるようになりました。そして賀川というすばらしく頭のよい同級生かいるといって、いろいろと話をして下さいました。その話を聞いて子供心にも大変感心していると、一年後にその賀川先生がとうとう新川に身を投じられたと聞いて、私は深く感動しました。そして鈴木先生が最初に新川のため当時の金で五十銭献金をしたら、賀川先生が大変に喜ばれたという話をされ、美しい友情だなあと思いました。

 そして四年後、私も中学を卒業するとすぐ神戸神学校に入学させて貰いました。その翌日直ちに新川へ行き、賀川先生にお目にかかり、早速新川のグループに入れて貰い、それ以来いつも出入りさせていただきました。その上私は神学校を卒業すると、新川と川一つ隔てた日本基督二宮教会に赴任したので、それ以来十年間は新川の伝道師をも兼任するような形となりました。先生が有名になって日曜にも旅行することが多くなると、その留守中はよく早朝の礼拝説教を代行させて貰いました。

 そして十一年後の昭和三年からは、神の国運動のために文字通り二人三脚で、五年間日本全国を何回も巡回伝道しましたし、そして私はいつとはなしに、巡回伝道のみでなく、先生の著述の手伝いや、賀川グループの教会や福祉施設の働きまでもさせて頂き、とうとう先生が召天されるまで、ほんとうの弟のように可愛がって頂きました。

 それで賀川先生のことは、表も裏もよく知っているので、他の人に先生のことをありのままにお話すると、よく「そんなことは絶対にできるはずがない。君はあまり買いかぶっているんだ。つまり贔屓(ひいき)の引き倒しだよ」と一笑に付せられました。しかし私はそのたびに、「ほんとうの事実を知らないからあんなことを平気で言っているのだ」と心の中で叫ぶのでした。先生が召天されてすでに二十三年、そんな思いでこの一書を書きました。

 最後に私のような者が書いたものを出版して下さったキリスト新聞社の皆様とご多用中にもかかわらず、序文を書いて下さった先生方に心より御礼を申し上げます。

   一九八三年二月
                                黒 田 四 郎



         本書の奥付

         黒 田 四 郎

         1896年5月 東京に生まれる。
         1918年6月 神戸神学校卒業。
         1918年から44年間 灘,岐阜,南京太平,松沢,東駒形の諸教会牧師を歴任。
          うち6年間神戸神学校講師を兼任。
         1928年から5年間 神の国運動のため賀川豊彦と巡回伝道。
         1946年から3年間 キリスト運動のため賀川豊彦と巡回伝道。
         現在 日本キリスト教団石井教会名誉牧師,日本キリスト伝道会エバンゼリスト。
         著書 『世の光』『暗黒アフリカの聖者リビングストン』『神の恩寵を語る』
          『信仰偉人群像』『続信仰偉人群像』『人間賀川豊彦』他
         訳書 ウェスレー『信仰日誌』『リビングストンの心臓』
            メチェン『パウロ宗教の成立』マヤス『神への飢渇』
         住所  779-32徳息県名西郡石井町石#556-5


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