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「賀川豊彦」のぶらり散歩ー作品の序文など(第209回:雨宮栄一著『貧しい人々と賀川豊彦』)

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「よさこい祭り全国大会」(今日のブログ「番町出合いの家」http://plaza.rakuten.co.jp/40223/)



賀川豊彦」のぶらり散歩
   

―作品の序文など―

      第209回


雨宮栄一著『貧しい人々と賀川豊彦

  
 本書は、前回取り出した2003年9月刊行の『青春の賀川豊彦』(新教出版社)に続くもので、2005年5月に出版されました。

 ここでも、著者による「あとがき」を取り出して置きます。




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                   あとがき


 この『貧しい人々と賀川豊彦』は、1年前に同じ新教出版社から刊行した『青春の賀川豊彦』の続編と見ていただければ有難い。つまり『青春の賀川豊彦』においては、賀川の両親の出自に触れながら、賀川の誕生(一八八八年・明治一八)から、彼が心に決するところから神戸新川に入った時(一九〇九年・明治四―)までの賀川の歩みについて、また思想の遍歴について記した。

 この「貧しい人々と賀川豊彦」は、賀川が新川に入ってから後、さまざまな試行錯誤を経ながら、アメリカに学び、帰国後、大正デモクラシーの渦中に身を投じ、無産者といわれる貧しい人々と共に日本労働・農民運動に参加したときのこと、さらに関東大震災を契機に上京し、貧しい被災者救援のため本所にセッツルメントを設け、本所基督数産業青年会を起こしたときのこと、そして暗い谷問の時代と言われる昭和の時代に至るまでの彼の苦闘について記しておいた。

 時期はまさに大正年問であり、換言すれば、大正デモクラシーの時でもある。この間の賀川の行動とそれを支えた賀川の思想について、その時代のうねるような流れと共に、筆者なりの理解するところを記しておいた。何時ものことながら、賀川にまとわりつく一方的一面的な礼賛からも、これまた一方的一面的な否定的評価からも自由になりながら記してみたいという思いのもとに書いた。成果のほどはわからない。読者の判断を待つのみである。当然のことながら、純粋に客観的中立的な歴史著述なるものはあり得ない。ある種の評価と批判的判断なくして歴史は書けない。歴史の名に値しない。その点でこの書物もあえて歴史であろうとした。

 先に『青春の賀川豊彦』を記した際に、賀川の新川入りにこそ、賀川の生涯の起点があり、また彼の全生涯の原像がある故に記すと述べた。貧しい物でありながら、不十分ではあるが一応の課題は果たし得たかと思う。しかしその原像となるべき新川入りについて記してみると、あの若き日の賀川の決断が、その後の賀川の歩みにどのような陰影を投げかけているのかについて、あるいはあの時の決断が如何なる形で再現されているのかについて、これまた筆者の興味をひどく、また強くそそることになった。なってしまったと言うべきかも知れない。申し訳ないが、そうすることに筆者の使命を感じたと言うような大仰なものではない。あえて言うなら、そのように考えるに至ったのは、賀川について書き出した、はしたない物書きの業のようなものである。

 この業のようなものに取り付かれ、冬の寒い日に、夏の暑い日に、どれだけ国会図書館に通いつめたか分からない。そしてこの間、二度に亙る大病と手術を経験した。余命いくばくもないという思いがなかったといえばそれは嘘になる。しかし自らは楽しくこの仕事を進めてきたことも事実である。

 最後に、この書物に使用させていただいた写真の多くは、賀川豊彦写真集刊行会編になる「賀川豊彦写真集」から使用させて頂いた。記して感謝する。松沢資料館、本所賀川記念館からも多くの資科を頂いたことはいうまでもない。また新教出版社の小林望さん、秋山憲兄さん、森岡巌さんの一方ならない配慮を頂いた。感謝している。

 またこれを執筆中、本所賀川記念館より出されている『賀川豊彦研究』の求めに応じて四七号(二○○四年六月号)、四八号(二〇〇四年一月)に、この書の1「賀川豊彦と芝はる」、1 結婚式場と賀川の袴、2 芝はるの歩みと賀川との出会い、を発表した。さらに付論として掲載しておいた「賀川豊彦と大杉栄」は同じ『賀川豊彦研究』三九号(一九九九年)に掲載したものである。記しておく。

   二〇〇五年四月 越中島にて
                       雨 宮 栄 一

付記

 この書物において、「新川」という表現が用いられている。今日においても、この衣現は差別的な意味に用いられている場合があると聞く。したがってその使用を躊躇したが、事柄が歴史的な出来事に関することと、この言葉でないと事実をより正確に表明できない場合のあることを考え、敢えて用いた。この衣現が、差別的な意味を持たなくなることを願いながら。
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