スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

村島帰之の労働運動昔ばなし(第71回)

1


「手のひらに乗るヤマガラ(明石公園)」(今日のブログ「番町出合いの家」)http://plaza.rakuten.co.jp/40223/)



村島帰之の労働運動昔ばなし(71

『労働研究』(第153号)1960年11月号連載分

  第九回 日本最初のサボタージュ
      ―タナボタの8時間労働制―
 
 
       (前回の続き)

   
                  負けん気の薩摩っぽ
      

 さてサボは早くも第9日目を迎えた。27日午後2時、いよいよサボをストに切替える腹案を以って交渉委員16名は地下室で第3回目の会見をした。

 ところがそこには交渉委員の全く予想だにしなかった松方社長のドンデン返しが待っていようとは。松方社長は第1回会見の際、会社で実施を研究中だといっていた8時間労働制を急にこの機会に実行して、争議団の鼻をあかしてくれようと腹をきめた。同時に職工側の要求で、受諾を渋っていた歩増の本給繰入も同時に実施するという。但しこれはサボに加わらなかった兵庫工場の一部の職工に対してのみ実施する。サボをやる者はいつまででも勝手にやれというのだ。

 この松方社長らしい負けん気の、しかも太ツ腹の案は会見の直前までは極秘とされていた。そんなこととは知らない野倉代表らは顔面を緊張させて入場して来た。 

 私は会見の直前に川崎造船所担当の経済記者からそのことを耳打ちされて驚いた。野倉代表らに話してやりたい、それでないとストに突入してしまうだろう、そう思うが、既に会見ははじまろうとしていて、野倉氏らに近寄るすべがない。私は切歯やく腕するばかり、経済記者に「もう少し早く判からなかったのか」と詰問しだが、会社側は争議団にもれるのを惧れて、出入りの記者にも知らさなかったものらしかった。経済記者は「これが当世資本家気質というものさ」とうそぶいた。

 そんなこととは知らない野倉代表は松方社長に向って「今日からストに入る」という事を声明した。松方社長はニタリと笑って徐ろに「サボをやらぬ職工」に対する待遇改善案を係の者に朗読させた。

 私は立会の記者席の末席にいて松方社長のエビス顔をにらみつけていた。その時の松方社長と野倉代表とのやりとりは、速記が残っているので、その一ばんかんじんなところをそのまま右に記す。速記の全文は私の「サボタージュ」に掲げてある。或る新劇団員はこれを一読して、一幕物にしたいなあ、といった。

   (つづく)



スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

keiyousan

Author:keiyousan
このブログのほかに同時進行のブログもうまれ全体を検索できる「鳥飼慶陽著作ブログ公開リスト」http://d.hatena.ne.jp/keiyousan+toritori/ も作ってみました。ひとり遊びデス。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。