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村島帰之の労働運動昔ばなし(第90回)

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「瀬戸内・山口県光市海水浴場」(今日のブログ「番町出合いの家」http://plaza.rakuten.co.jp/40223/)



村島帰之の労働運動昔ばなし(90

『労働研究』(第161号)1961年8月号連載分

第十二回 三菱の「九時間労働制」
    ――県下大工場の「右へならえ」


    
                 右へならえの22工場


 こうして三菱造船所が9時間労働制に踏みきると、県下でも連鎖反応的に続々とこれに「右へならえ」する工揚が続出した。さきに川崎造船所の8時間制実施の際、ちゅうちょしてこれにならうチャンスを逸した小中工場は、三菱の9時間制実施と聞き、こんどはバスに乗り遅れまいと大いそぎで9時間制を実施したのだ。労働者優遇のためというよりは、そうしなければ熟練職工が逃げ出すからである。

 私の手許に残っている新聞の切抜を見ると、三菱が9時間制の実施期日と定めたと同じ10月6日に、三菱と足なみを揃えて9時間制へ踏出した工場が兵庫県下だけでも2造船所、10鉄工所の13工場を数え、また6日のスタートには遅れたが、同月末日までに実施しだのが9工場(主として鉄工所)で、その合計は22工場を数えている。

 10月6日 浜田、佐野両造船所、森田、兵庫、紅田、鈴木、岡本、高尾、中山、東出各鉄工所、明治工作所、神戸発動機
 同 9日 佐原鋳造
 同 10日 宮下製軸、平田鋳鉄工所
 同 11日 箔井鉄工所、北海林業
 同 14日 阪東式調帯
 同 16日 神戸鋳造鉄工
 同 20日 向井鉄工所
 同 21日 鈴木製油

 なおこのほか、三菱に数日先立って10月1日から9時間を実施した向もあった。日本発動機製造と浜崎造船所の2工場で、これは川崎の8時間労働実施を見て自発的9時間制を考え、三菱より一足先きに始めたものである。

 従って9時間労働は三菱の創始というわけには行かぬことは、川崎の8時間労働の場合と同様である。殊に10月中に9時間労働を実施した前記23工場の中には、残業をせず、純粋に9時間労働ズバリを実施した工場が10工場を数えているのだから、9時間プラスアルファの三菱はあまり自慢できたものではない。

 ついでに8時間労働制を実施した県下の72工場について見ても、60工場は川崎同様歩増2割乃至3割を支給して残業をしているが10工場は純粋の8時間労働制を実施したのだから「川崎の8時間ケツクラヘ」である。ただ、これらの純粋8、9時間労働制を実施したのは比較的仕事のヒマな中小工場で、職工数1万を越える川崎、三菱両大造船所とは同日に論ずるのは酷である。

    (つづく)


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