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村島帰之の労働運動昔ばなし(第91回)

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「住宅の花壇:パンジーの植え替え」(今日のブロウ「番町出合いの家」http://plaza.rakuten.co.jp/40223/)



村島帰之の労働運動昔ばなし(91

『労働研究』(第161号)1961年8月号連載分

第十二回 三菱の「九時間労働制」
    ――県下大工場の「右へならえ」


         
                 三菱の職工側は喜ばず


 ところで、三菱の9時間労働制実施に対する評判はどうであったか。三菱造船所では口を開くと「三菱は川崎よりも職工の福祉増進を考えて、日用品の廉売などにも意を注いでいる」という。しかし、職工側にいわせると、そうした温情施設よりも賃金をふやし、残業しなくても生計を立て得るようにしてもらいたいというのである。安い米を供給してやるから、安い賃金で我慢して、8時間労働の、9時間労働のといわず、残業をしてジャンジャン稼ぐがいい、というのは承服できない。ましてや、 汗の賃金の支払単位が川崎の8時間に対し1時間長い9時間というのは甚だうれしくない、というのだった。

 三菱の9時間労働制が実施されて間もなく、私の許に三菱の一職工からこの事について投書が来た。私はこれを「警笛」欄に掲載した。原文のままを次に転載する


                8時間制と三菱 
                          三菱中○生

 最近川崎造船を初め住友鈴木その他大小会社工場が続々8時間労働制を実現なしつつある中に独り三菱のみは兼ての腹案とかである時間制度を発表した。その理由として報ずる処によれば8時間制度の一階梯として先ず試験的に9時間制を布いたのであるとか。過日の新聞紙上に三菱副長永原氏の名において「川崎造船の8時間労働制を見ると単に給料の計算単位を変更した迄で職工の保健、国際労働会議へ持出された真の精神が十分斟酌されて居ない」と論ぜられたのであるが、三菱が実施せんとする9時間制度に職工の保健及び国際労働会議の精神が何程存在して居るのであろうか、吾人は甚だ疑わざるを得ないものである。
                 
 殊に川崎に於ては従来の手当を本給に繰入れたのみならず上に薄くして下に厚き賃銀値上をも実施された、これを今回三菱発表の8割手当の本給直し10時間制の9時間制に比較すればいかに贔屓目に見るも川崎に比して遜色のあることは事実である。

 つぎに述べて置きたいのは三菱の最も誇号する購買組合制度である、会社では60銭の米を役員には実費、職工には25銭で供給せりと云うのであるが、60銭の米としてはあまりにも粗質である。しかしてここに一思案を要することは三菱は川崎その他の工場に比して賃銀の一般的に低廉である事実である。すなわち三菱では日給1円10銭内外の職工は上等の部類で職工伍長にして1円20銭内外のもの多々あり、組長にあっても1円50銭前後、職工として最高の責任者たる工長に至るも2円を上下するのである。

 われわれの臆測によれば安米を供給するが故に安日給を以てするのではあるまいか、もし吾人の見解にして当らんか、安日給を以て安米を得るも、高日給を得て高い米を口にするも帰着する処は何等の変わりなく差引零である。米以外の日用品の供給を受けんには貯金の資格を要する点も問題である。

 想うに会社は貯金奨励の意味に於てかくの如き資格を設けたものであろうが、職工の預金人員3、567名、預金総額216、058円で、総人員8、000余人の半数にも足りない。すなわち総人員の半数はこの制度に浴して居らないのである。今後はかかる不徹底なる制を廃し預金の有無にかかわらずこれを一般に提供し以て購買組合の組合たるの所以を明かにすべきである。

    (つづき)



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