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村島帰之の労働運動昔ばなし(第93回)

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「会下山公園ぶらり散歩」(今日のブログ「番町出合いの家」http://plaza.rakuten.co.jp/40223/)




村島帰之の労働運動昔ばなし(93

『労働研究』(第161号)1961年8月号連載分

第十二回 三菱の「九時間労働制」
    ――県下大工場の「右へならえ」


             
               代表100工場の労働時間


 川崎には川崎の長所とそして短所があり、三菱にはまた三菱の特色と欠点をもっているが、ともかく、神戸の港を圧する大造船所としてそれぞれ1万を越える熟練工を擁し、日本の産業界に君臨する両造船所が8時間労働、9時間労働の先鞭をつけた功績は没することができない。

 神戸の各工場は素より、全国の工場は川崎三菱両造船所に見習って労働時間の短縮を行ない、これがために全国の工場は昔のように12時間以上の労働を強いるものがなくなって、全国の基準の労働時間は三菱並みの9時間が常識となった。川崎、三菱両造船所の8、9時間制実施から5年を経た大正14年10月現在で、兵庫県工業懇談会が兵庫県及び大阪府下の代表的工場百数十ヵ所について調査したのを見ると、労働時間は平均9時間12分という事になっている。もちろん、これは残業を含んでいない。全数の8割近くの工場では大体2時間の残業をしているというから、正味の実働時間は11時闇を越える勘定である。

 これを40年を経た今日と比較して見ると、かなりの進歩とも見ることができるが、しかしまだ週40時間制も容易に実施に踏切れないことを考えると、あまり進歩していないともいえよう。参考のため、当時私が経済雑誌「エコノミスト」に書いた前記兵庫県工業懇談会の調査を抄録して見る。


             実労働時間

 先ず官営工場と民営工場によって区別して見ると、官営工場の方が少しく短い。すなわち
  官営工場      8時間56分
  民営工場      9時間10分 

 民営工場における各業態別の平均純労働時間はどうかというと大体下の如くである。

  繊維工場        10時間
  機械工場      8時間36分
  化学工場      8時間42分
  飲食工場      9時間12分
  特殊工場      8時間42分
  雑工場       8時間52分
  計         9時間12分

 すなわち勤務時間の長いのは、女工が大部分を構成している繊維工場で10時間の永きに亘っている。これに反し一番短いのは智識男工の多い機械工業で8時間36分、繊維工業に比し1時間半も短い。智識のある処には必ず団結があり団結の前には善い労働条件が置かかる。無智のそして団結のない紡績女工はどうしても閑却されて、雇主の搾取するに委せられる。


         最も善い条件は機械工場

 次に各工場の純労働時間を、時間別に見ると
  6時間半  1       7時間  1
  7時間半  1       8時間  42
  8時間半  5       9時間  48
  9時間半  9       10時間  27
  10時間半   4      11時間 18
  計     156
 
 すなわち全数の約3分の1の工場では9時間制を布いているが、筆頭は機械工業である。各工場中最も時間の短いのは6時間半制の工場であるが、これまた機械工場に多い。之に反し最も時間の長いのは11時間制の工場で殆んど全部は繊維工場である。


          各工場の休憩時側

 休憩時間はどうであるか。先づ民営工場と官言工場を比較して見ると、労働時間の短い官営工場が、民営工場よりも長い。
  官営工場      59分一間、
  民営工場      50分間
 
 しかしこれを民営工場の各業態別について見ると労働時間の短いところが必ずしも休憩時間が長くはない。むしろ逆の状態にある。けだし短い労働時間のところでは、永い休憩時間の必要が少いからである。今、各業態別の休憩時間を記すと左の通り。(単位分)

  繊維工場  64     機械工場  43
  化学工場  56     飲食工場  56
  特殊工場  56    雑工場  56
  平  均 55               、
 
 すなわち一番労働時間の短い機械工場が一番休憩時間が短く、一番労働時間の長い繊維工場の休憩時間が一番長い。これは当然のことであろう。


        1日工時間を休ませる

 叉これを横から観測して休憩時間を別に記すと
  休憩30分間  37     40分間  4
    45分間  2     50分間  3
    60分間 98    90分間  9
    120分間 3    計 156
 
 すなわち全数の半分以上は1日1時間の休憩時間を与えていることがわかる。最も休憩の少いのは1日30分間という工場であるが、その大部分は機械工業である。これに反し最も休憩時間の長いのは1日2時間でこれは化学2工場と繊維1工場とである。化学はその業務の性質から考えても、休憩時間が他より多くを要する事が首肯される。

 では休憩を与える時刻は如何というに、最も多いのは午前11時半からの午飯時で、半数以上を占め、これについでは午後3時のいわゆるおやつ時刻、それから午前9時という順序である。

   (つづく)


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