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連載:賀川豊彦の著作ー序文など(第40回)

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「春めいて・・・」(今日のブログ「番町出合いの家」http://plaz.rakuten.co.jp/40223/)



    賀川豊彦の著作―序文など

       わが蔵書棚より刊行順に並べる

                第40回

       人類への宣言

            昭和3年2日20 警醒社書店 511頁

 警醒社書店が大正15年7月に『神による解放』を刊行して以来3年ぶりに仕上げた作品が本書『人類への宣言』です。賀川の作品を早くから多くの作品を世に出した警醒社書店ですが、これ以後は賀川豊彦の著作は、ほとんどこの出版社から出ていないように思われます。

 本書は、500頁を越えるもので、箱入りの作品に仕上げられていますが、むかしこの古書を求めたときは随分高価で、何度も何度も思案しながらこれを買い求めた記憶のある書物です。もちろん、ほかの賀川作品も、ほぼ同じような思い出ばかりでありますが・・・。


          *                    *



        人類への宣言

           序

 それは不思議なる宣言である。人間が、絶望の淵に沈む日にも、猶望みのあることの約束を与へてくれる宣言である。

 文明が、道徳的発狂に煩はされて、その迷妄生活に行くべき方向を見失った時に、尚も再生の希望を約束する宣言である。

 それは武力によらず、暴力によらず、黙し難き愛が、人間の気付かざる生命の内側から溢れ来つつあることを意識せしめんとする、神より人間への宣言である。

 それは、永遠に新しいが故に、新約と呼ばれる。旧き約束が、善人のみに対する約束であるに反して、新しき約束は、神を離れた迷路の小羊にまで、再生と救を約束してくれる。

 私は、この深い宇宙の秘義を考へつつ数年間の瞑想の後に、この書を物した。

 それであるから、この書を、私の信仰に対する告白であると考へてくれても、少しも差支ない。

 私は、旧き時代のある人々がしたやうに、単なる字句の註釈をしようとは試みたかった。

 私は、たゞその精神を汲みさへすれば善いのである。

 私は、新約全書全体に通じて、その宗教思想が、吾々に教へんとした所を、汲みたいと望んだ。

 そして私は、自分が味はってゐる宗教的経験を中心にして、新約全書全体を見直した。

 それであるから、私が、この書を読んでくれる人々に要求したいことは、第一巻から第廿七巻迄一気に読み通してくれることである。

 私は、祈りつつこの書を、社会に送り出す。

 願くは、父なる神、この書を用ひて、絶望の淵に沈む魂に対し、見ゆる世界の彼岸に、見えざる聖愛の力が秘められてあって、絶えず各々を、上に引上げんと努力しつつあることを、この書の読者に意識せしめ給はんことを。

 この書は、大部分、吉田源治郎氏、今井よね子姉の筆記に成ったものである。

 このことを私は改めて此処に感謝する。

 私は、この書が若しも、弘く、日本の町々村々に於て読まれ、日本に於る神の国の運動を、少しでも前に進めることが出来るなら、それで私は満足する。

 私はこの書に於て、最近私が考へてゐる、キリストに対すろ考を殆ど凡て述べたつもりである。

 それで私は、この書を出すことを非常に嬉しく感ぜられる。

 私は自らこの書の内容を、繰返し繰返し瞑想して、神の恩寵に対して、言葉で尽くせない感謝を捧げてゐる。

   一九二七・一二・一九              

             摂津武庫川のほとりにて

                    賀 川 豊 彦 
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