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連載:賀川豊彦の著作ー序文など(第56回)

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「画家・宮崎潤二さんの作品(御逝去を悼む)」(今日のブログ「番町出合いの家」http://plaza.rakuten.co.jp/40223/)



   賀川豊彦の著作―序文など

      わが蔵書棚より刊行順に並べる

              第56回
        

     神と歩む一日 日々の黙想
   WALKIBG WITH GOD 
   THE DIARY MEDITATION


         昭和5年12月15日 日曜世界社 366頁

 前回、賀川豊彦の『クリスチャンダイアリー』(昭和4年版)を取り上げましたが、今回の『神と歩む一日=日々の黙想』も一日分を1頁をもちいて、365日分の賀川の短い珠玉の文章が収められています。

 このような作品に編纂しあげた人のことには触れられていませんが、賀川豊彦が自ら仕上げたとは考えられません。

 本書は年年歳歳版を重ね、戦後昭和24年7月には日曜世界社と同じ版のまま、版元を「キリスト新聞社」に移して出版され、読み継がれています。

 なお、2年後(昭和7年)には、追ってとり出す予定の『神に跪くーその日その日の祈』が同じ日曜世界社より編纂されています。

 では早速、賀川の記している「序」を取り出して置きます。




       神と歩む一日
         序

照る日、曇る日、我等は、人生の一日を最も有意義に生活しなければならない。
暴風雨に、雲崩に、出産に、お通夜に、
神の不思議なる御手の動きを発見しなければならない。
食ふに、眠るに、我々の行事が、神聖な神の姿に肖たものであらねはならぬ。

エデンの花園から逐はれ、煙突の杜と、瓦の沙漠に追い込まれた、所謂文化人は、
硫酸の雨と、煤煙の霞に、霊魂を旱しにしてしまった。

この末の日に、神と偕に歩む一日は、至聖者の姿を肉塊の上に現像させたイエス
のごとく、足どりを決定するほか道はない。

彼が、馬槽より 十字架まで歩いた不思議なる足跡は、
五尺の受肉者が体得し得る至高の道であった。

彼は、聖書をそのまゝ自己の生活の上に実現さした。
そこに預言は成就し、神の言葉が、肉体として現された。
不思議なる歴史の変転の上に、不思議なる愛が盛られ、
自己の安全を棄てて、人の罪のために、
新しき約束の血を流した潔い恙の血こそ、
罪に悩む者にとつての永遠の福祉の源である。

この現実の血を、我々の血脈に輸血して、神の愛に甦る日、
「我」は死んでまことに神の霊が私の胸に甦る。
かうして私は、新しく造り変へられ、醜い歴史は、
新しき愛の歴史として醗酵し、愛の血は新社會に躍る。

不思議なる愛の洪水に、古き家々は洗ひ流され、
醜き我慾は、すべて姿を没してしまふ。

おお愛の水準よ高まれ! 
脛を浸せよ、腹まで浸れ、頸も、頭も、浸つてしまふがよい。
降れよ、愛の五月雨よ! 剣劇の血雨にもう我々は飽いた。
我々は、十字架から迸り出る愛の洪水に
すべてを圧し流してもらはなければならない。          
 
おお、友よ、洪水にそなへる準備は出来たか! 
この洪水のために、ノアの箱舟を造る必要はない。
勇敢に飛込んで、沖へ沖へ押し出されるがよい。

けがらわしい国境も、民族的皮膚の色も、好色も、詐譎も、
みんな洗い流してもらふがよい。

愛の洪水は、フランスと独逸の国境を拭い消し、
黒人と白人の皮膚の色を拭き消してくれるだらう。

天地の創出に、すべての動物は、
海水のうちに湧いたと、生物學者が教へくれる。
然し冷たい海水から冷血動物が生まれ、
温かい血から温血動物が生れるのだ。

新しい血から創造された新しい温血動物は、
愛するために、新社會を創造しなければならない。

湧けよ、赤き血の海よ、
愛の海潮は、我々の胸に轟け! 

民族と階級と、貧富と伝統を蹂躙して、天にまで湧き上るがいい。

あゝ、湧けよ、湧けよ! 
赤き血潮の海潮音よ! 
地球の地軸が、真直に舞ひ戻るまでたかまれよ。

魂のサハラに、ゴビの廣土に氾濫せよ! 
コンゴ低地に海水を入れたゞけでも、
地軸の歪みが、変るといふではないか。
さては、コンゴ低地にも浸水せよ! 
魂にうけたる十字架の潮よ!

地球の表面を包む海潮には、一日二度の変化のあるものを、
なぜ魂の世界に、十字架の血潮は高まらぬか。

おお、高まれよ、高まれよ。
愛の血潮の満潮よ。
ヨーロッパは、戦筝と革命のために、千萬の人骨を平野に撒き、
世界は腐肉で臭くなってしまった。

あゝ、愛の血潮の満潮よ、
この白骨と、この人体の腐肉を一刻も早く包み隠してくれ。
海はすべてを浄めてくれる。
そのごとく、愛の血潮よ、浄めの力を持ってくれ。
            
もう潮がさしてくる時ではないか、
おゝ友よ、魂の砂時計が、それを報じてゐるではないか。

今日の潮時は子の刻か? 丑の刻か? 
カルバリの丘より、絶えず霑してきた不思議なる愛の潮よ、
もう私と、そして私の住んでゐる地球の表面に、
愛の満潮がさしてきてもいい時ではないか!

一刻、二刻、魂の砂時計に、私は愛の水準の高まるのを覚ゆる。
あゝ、至聖者よ、神よ、
私はあなたの脈拍を、私の心臓に感じます。

  一千九百三十年十二月十一日
  
         賀 川 豊 彦

           武庫川のほとりにて
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