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連載:賀川豊彦の著作ー序文など(第99回)

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「我が国ゴム工業勃興の地」(今日のブログ「番町出合いの家」http://plaza.rakuten.co.jp/40223/)


   賀川豊彦の著作―序文など

      わが蔵書棚より刊行順に並べる
      
              第99回


    『銀河系統』

     昭和15年5月18日 改造社 490頁


 本書『銀河系統』は、雑誌『家の光』(産業組合中央会)の昭和14年12月から12月までの1年間連載された「銀河系統」(229頁まで)と、もうひとつの作品「隅の首石」(233頁から490頁。これの初出は未確認)と併せて、この書名で出版されています。

 なお、『銀河系統』は、上記の連載の前に「小説・銀河系統」として「神の国新聞」において昭和9年7月から昭和10年2月まで19回にわたって連載されたことがあり、この短編は、2010年7月に「賀川豊彦『一粒の麦』を再販する会」より出版されています。この短篇と、今回の長編小説とは、内容は重なりますが、同じものではありません。

 ここでは「序」がありませんので、武内勝の「労働紹介所」のことや「神戸愛隣館」のことにも触れられる箇所のひとつを取り出して置きます。ここは武内の開拓的な「失業保険組合」の箇所ですね。小説では武内は「武田」として登場しています。



      『銀河系統』(220頁~223頁)

          失業保瞼組合の勝利            


 「さっきの方が、失業保険組合という言葉をたびたび使っていらっしゃいましたが、さうしたが、さうした組合もこちらで作っていらっしやるんでございますか。」

 高木恒子は、両手を膝の上において、つつましやかに武田に質問した。

 「えゝ、共済組合として自由努働者の間に始めた試みなんですが、幸ひ神戸市内の雇主の側でも、非常に理解してくれましてねえ、自由労働者が就業すると、毎日一人当たり五銭づつ失業保険金として掛金することになっているんです。それに対しまして、雇ってくれる方でも、一人の労働者に対して五銭づつ、賃金の外に失業保険組合の掛金として支出してくれることになっているんです。」

 さう答えた武田の言葉を聞いて、恒子あは全くびっくりしている様子だった。

 「さうですか、それは驚きましたねえ。私はまた、日本には失業保険なんていうものは全然なく、西洋だけに実行されていることだと思っておりました・・・では、やはり協同組合的保険制度もやれるわけですねえ。」

 武田は火鉢の灰を掻きよせながら、じっと恒子の顔を見て、明確に答えた。

 「全くさうですな。日本の各都市でも私たちがやっているようにやれば、失業者が何十万人出ても、決してこまることはないと思います。もう私たちは神戸で、大正12年の震災前からやっているんですが、失業登録をしている自由労働者であれば、ひと月三十日とみて、十八日間は失業保険組合の方え3、毎日毎日六十銭の恵與金を保証しているんです。それでもう十五六年やってきているんですが、いまだに資金に困ったということはありませんからねえ。私はたしかに、日本のやうな貧乏国では、失業保険制度も協同組合的にやると、労働階級が非常に助かると思いますねえ。また、国家の財政からいっても、イギリスやドイツでっもやっているやうな、おほげさな強制的国営失業保険制度では。国家の財政に破綻をきたすと思いますねえ。」
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