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連載:賀川豊彦の著作ー序文など(第126回)

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「花壇の植え替え」(今日のブログ「番町出合いの家」http://plaza.rakuten.co.jp/40223/)


   賀川豊彦の著作―序文など

       わが蔵書棚より刊行順に並べる
        
              第126回



    ルコント・デュ・ヌウイ著・賀川豊彦訳

    『人間の運命』


    昭和25年12月1日 世界文学社 315頁


 本書『人間の運命』は、ヌウイの市民向けの宇宙論で、賀川豊彦の訳とされていますが、した訳が誰なのかは記されていません。巻末に著者の略歴が記されていますが、この文章は賀川によるものかどうかも確かめることができませんので、ここでは、本書の巻頭に、著者の「序」が収められていますので、それを収めて置きます。



    ピエール・ルコント・デュ・ヌウイ著『人間の運命』

              序


 この本は平易を旨として書いた、そして専門語の使用は思想の正確さに影響を与えないかぎり、出来るだけ避けた。従って教養ある男女には容易に理解されると思う。

 ぞれにも拘らず本書は種々新しい思想、新しい解釈を提出すると共に、また思索に訴えるのであるから、読者諸君としては注意力を異常に集中する必要があるかも知れない。ゆっくりと読まねばならないかも知れず、或る部分は二度読まねばならないかと思う。ただし、知識人が理解し得ないようなことは何も書いてない、理解しようと心掛けさえすれば出来る程度である。
       ’
 食物は嚼み砕かなければ消化されないのと同じように、思想も反省し理解することなしには同化し難いものである。著者は明晰を期して最善を尽した。しかしある機械の使用法が如何にはっきりと書かれていても、それを通読しただけでは機械を使いこなせるものでぱない。それを実際手がけて見なければならぬ。私は諸君が親しみのない思想を批判し、分解し、また他の思想で置き換えることによって、その思想を手なづける努力を払われんことを切望するものである。

 今日の諸問題は非常に複雑になっているので、表面的な生噛じりの知識では教養ある素人に問題をすッかり把握させるには不充分であり、況んやこれを論議するなどは以てのほかである。この事実は故意に真理を曲げて、大衆を間違った方向に引きつける為に時おり悪用され来った。だが、もしも現在のキリスト教文明がなお持続すべきものならば、今や善意熱誠の士はこぞって立ち上り、自己の演じ得る役割を自覚し、生涯をかけてこれを果そうと決心すべき時代が来たのである。

 人はみな、未来に対しての責任を分担している。しかし、この責任を建設的努力にまで具体化しようとすれば、人は先ず自己の生命の意味を充分に理解し、何故に労苦し奮闘せねばならぬかをよくわきまえ、また人間の高貴なる運命に対する信仰を維持してゆかねばならぬ。

 本書の目的はこの信仰に科学的基礎を与えることによって、それを実質化することにある。読者諸君に課された努力があらゆる時代を通じての最大問題に対するより明かな展望によって報いられんことを著者は希望して已まない。

   ピエール・ルコント・デュ・ヌウイ

     一九四五年コロラド州ティー・ラ・ウケト農場にて
     一九四六年カリフォルニア州アルタデナ・ラ・キンタにて 
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