スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

連載:賀川豊彦の著作ー序文など(第171回)

1

「今年のヤマモモ」(今日のブログ「番町出合いの家」http://plaza.rakuten.co.jp/40223/)


      賀川豊彦の著作―序文など

     わが蔵書棚より刊行順に並べる

             第171回



     浅野 晃著

     『贖(あがない)REDEMPTION―賀川豊彦の小説化』

  
 浅野晃氏の標記の著作は、昭和27年5月に東光書房より出版されました。著者は1901年に生まれて1990年にお亡くなりになっていますが、東大法学部を卒業後、評論と詩をつくり、200冊ほどの作品があります。ホイットマンや岡倉天心の翻訳も行っています。

 ここでは、著者の「あとがき」と巻頭にいれられている下中弥三郎氏のことばを取り出して置きます。




                「あがない」を推賞する


 賀川豊彦君の波瀾に富んだ生涯を著者浅野晃君が円熟した筆によって坦々たる叙述のうちに情熱をみなぎらしてなる。

 さすがに浅野君苦心の著作であると思って通読した。

 アメリカに旅行して帰った人たちが、アメリカにおける日本人の人気しらべに報告によると、賀川豊彦君の人気がトップをきっている。それにつぐ人気は野口英世である。それ以外の人のことは問題にされていない。

 私は、賀川君が神戸新川の貧民窟時代以来三十五年にわたって親交をつづけて来ているか、いつ会うても、ほがらかで、病の巣のような身体のもちぬしでありながら、元気一ぱいに、科学を語り、宗教を語り、人間を語る。
                      
 かつて、賀川君は『宇宙目的論』を書いていると語った。それを発表してはとすすめたが、まだ発表の域には達していないとのことであった。

 賀川君はいう、自分は科学に興味をもつ、だから神を信ずるにしても無稽の論は出来たい。科学的な分析と綜合を通じての実験的な決論を導き出さなければ発表しない、と。

 クリスチャンであり、プロテスタントであるには相違ないが、さればといって、カトリックをこきおろしたり、仏教をこきおろしたり、神社信仰をこきおろしたりするような狭量な無作法は絶対にやらない。何れの宗教にも宗教としての立場と「よさ」のあるものである、高く広い立場で神を見、神を信ずる賀川君にとっては立場がちがうからとて、徒らに他をののしるには、自らの体験が余りに広く高く深いのである。むろん、不義に対しては、社会悪に対しては寸毫もカシャクしない。悪に立向つては実につよい。そこに神人賀川の真面目がある。

 本書「あがない」は、日本ガンジー(アメリカ人やヨーロッパ人に言われる)賀川豊彦を語って余すところなしである。読む人、幾たびか、巻をおおうて涙をぬぐわずにいられない場面があるであろう。それほどにも本書は「感激」の書である。

    一九五二年四月廿八日
                                 下中弥三郎






                 あ  と  が  き

 賀川さんの顔は、私が社会運動に専念していた当時、何べんも見ていた当時。「死線を越えて」も愛読したものだ。その後久しく交渉がなかったが、敗戦後北海道の田舎にいて、風の便りに氏の消息を耳にし、氏の老躯を顧みぬ奮闘に深い感銘を受けた。

 昨年の暮れのこと、氏の門下である中山正男君から、物語風な伝記を書いてみないかとすすめられた時、すぐに承諾したのも、この現代の稀有な信念の人を、どこまで書けるかやってみたいと思ったからである。

 材料はみんな中山君が揃へてくれ、内容についても何かと示唆を与へてくれた。だからこの一篇は、徹頭徹尾中山君のおかげで出来たものと云ってよい。この機会に同君の厚意に対し、衷心感謝の意を表したい。

 小川清澄氏も原稿に目を通して下さった由で、感謝している。材料としては賀川さんの著書は勿論だが、横山春一氏、鑓田研一氏の伝記から幾多の恩恵を仰いだ。村島、小川両氏訳のタヌーデンの賀川伝もよいものであった。併せ記して感謝する次第である。なおこの一篇は大東亜戦争の始まる前で掴筆したか、その後の賀川さんの活動は、稿を改めて書くつもりでいる。

    昭和二十七年初夏

                                著者しるす



スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

keiyousan

Author:keiyousan
このブログのほかに同時進行のブログもうまれ全体を検索できる「鳥飼慶陽著作ブログ公開リスト」http://d.hatena.ne.jp/keiyousan+toritori/ も作ってみました。ひとり遊びデス。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。