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連載:賀川豊彦の著作ー序文など(第206回)

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「みなとこうべ花火大会」(今日のブログ「番町出合いの家」http://plaza.rakuten.co.jp/40223/)


        賀川豊彦の著作―序文など

       わが蔵書棚より刊行順に並べる
 
              第206回


       雨宮栄一解説『日本の説教Ⅱ 2 賀川豊彦』

  
本書は、2006年5月に日本基督教団出版局より刊行されました。巻末に雨宮氏の「解説」がありますので、その一部を取り出して置きます。



                  解説(一部分のみ)

   説教

 ここでここに収められている賀川の説教について、そのいささか特別な性格について記しておきたい。説教というものは教会の講壇で語られるのが普通である。一定の会衆を前にして日曜日、日曜日の礼拝において語られる。説教者は自分が良く知り尽くしている会衆の前で話す。つまり説教者は常日頃牧会的な配慮を持ち、教会員である聴衆の生活を知り、その課題を知り、また問題を熟知している会衆を前にして話すものである。

 しかし賀川の場合は、ほとんどが全国に出掛けて、そこで初めて会う会衆を前にして語るということが特徴と言えよう。つまり賀川は全国の教会の求めに応じて、行く所、行く所、ほとんどが初めて出会う人たちに語りかける事が普通であった。もちろん、良く知っている人たちに語る場合も少なくなかった。それは新川の賀川のもとに集まった人たち、あるいは、イエス団の修養会、各地の同志的な集会、本所の教会、晩年、牧会に励んだ松沢教会等はそうである。

 けれども賀川は、既成の教会に受け入れられない人たちに対して、あるいは既成の教会 に入りにくい人たちのために、つまり労働者、農民に対して求められるまま全国を回り、語りかけたのである。そしてその賀川の下に多くの人がその名を慕って集まった。賀川から考えると熟知している人たちではない。しかし賀川はそれらの人たちに対して、大胆にイエス・キリストの福音を語って止む事がなかった。イエス・キリストの贖いを語り、神の愛について語り、悔い改めを大胆に求め、決心者を求めて、それを募り、カードに署名を求め、その人たちの配慮を土地の教会に託して次の地に行くというのが普通であった。

 したがって賀川にとって会衆との関係は、まさに一期一会の関係であったと言いうる。したがってそれなりに真剣そのものであった。賀川はただひたすら、神の愛を語り、その贖罪を語り、悔い改めを求めた。

 賀川の説教ぶりについても触れておこう。賀川と長期にわたり、賀川の大衆伝道の手助けをした黒田四郎牧師(『私の賀川豊彦研究』キリスト新聞社、一九八三年)によると、なぜこのように多くの人が賀川の伝道集会に集まったかというと、「ます第一に賀川先生の持つスター性の魅力であった。当時先生は超人スターで、先生の名を知らない者は日本人ではないというほどの時代であった。「賀川先生来る」というポスターだけで、どこでも総立ちになったように聴衆が押し寄せてきたものである」とある。そうであろう事は容易に想像がつく。
 
 またさらに「ただ名声だけでなく、先生自身が今日言うタレント性を身につけておられた……艶やかな両頬にたたえられた笑みは、万人をとろかすに十分な魅力があった。握手して貰ったことのある人は、その温かいふくよかな掌の感触を忘れられなかった」そうである。

 そしてその声は「天地も轟くような力強い言葉がほとばしり出て来る。堂堂たるその音声には、百万の軍勢も黙するほどの威力があった」と言う。黒田牧師自身が賀川にほれ込んでいた事を差し引いても実際に魅力ある話しぶりであったことは想像つく。

 「のみならず話し方がとても面白い。目の前で、演壇の後ろにある黒板に張った白紙にするすると漫画を書いてくれる。実に巧みでよく分かる。教育のない貧民街の人々に話しつけているので、何の予備知識をもたない人々にもはっきりと分かる。無学なおばさんたちまでが、難しい事が良く分かるので、犬変に喜ぶ。落語を聞いているうちに、大変な難しい知識をたっぷり味わえるようなものだ」とも言う。

 さらに賀川の説教の特徴の一つは、一九二九年から一九三二年にかけての「神の国運動」の時には、先に触れたように入場料を取った。当時十銭というから、蕎麦、うどん一杯分のものであつたらしい。これには反対する者がいたらしいが、賀川はこれを受け付けず、あくまでこの方式を貫いたらしい。おそらく賀川は、自分の話を聞きに来る者には、ある種の心構えを求めたのではないであろうか。けれども「先生の講演は実に面白いので、誰も彼も十銭払って喜んで集まってきた」とは黒田牧師の言である。賀川が説教あるいは講演をする際の、これらの特徴を読者は念頭において読んでいただければと考える。


                                  雨宮栄一


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