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連載:賀川豊彦の著作ー序文など(第208回)

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「六甲高山植物園」(今日のブログ「番町出合いの家」http://plaza.rakuten.co.jp/40223)


       賀川豊彦の著作―序文など
 
     わが蔵書棚より刊行順に並べる
     
             第208回


      阿部志郎・雨宮栄一・武田清子・森田進・古屋安雄・加山久夫著
      『賀川豊彦を知っていますかー人と信仰と思想』

  
 本書は、2009年4月に教文館より刊行されました。ここでは執筆者のひとり・加山氏の「はじめに」を取り出して置きます。


                   はじめに


 本書は、賀川豊彦献身一〇〇年記念事業の一つとして企画されたラジオ放送の講演集です。

 一九〇九(明治四二)年一二月二四日、二十一歳の賀川豊彦神学生は、余命長くないことを医師から告げられて、残された時を最も貧しい人々のために献げようと神戸のスラムに身を投じました。そこで考案し、実践した救貧・救霊の諸活動は、セツルメント、労働運動、農民運動、普選運動、無産政党樹立運動、協同組合運動など、その後同志らとともに切り拓いていった数々の社会運動の原点となりました。それらはすべて、賀川にとっては、キリスト教信仰に根ざしたものであり、イエス・キリストの福音を現代に身体化したものにほかなりません。

 したがって、賀川が関わった多方面の運動や多分野にわたる知的関心は彼の内面において統合されていました。「賀川豊彦の全体像」を捉えることはきわめて困難であり、これまでなされた幾つかの試みは必ずしも成功したとは言いがたいと思います。もとより本書は小著であり、その取り上げたテーマは賀川の全体像を捉えるには不ト分であります。しかし、賀川を内面から、内在的に捉えるという意味では、賀川理解に寄与するところ小さくないと思いますが、どうでしょうか。それは、賀川自身の表現で言えば、「贖罪愛」であり、「贖罪愛の実践」と言うことに集約されます。より一般的な表現で言えば、それは「愛と協同」あるいは「相愛互助」を基調とする人間理解であると言えるかもしれません。

 賀川豊彦が目指したものの殆どは、今日、実現しており、その意味で賀川の時代は終わったと言う見解もあるかもしれません。しかし、「労働者は人格である」、「労働力はモノではない」と語った賀川の発言は、人間が疎かにされる、現代の病める時代に、改めて傾聴されなければならないメッセージをもっているのではないでしょうか。また、社会主義が崩壊し、利益優先の資本主義が行き詰まりつつある現代世界において、賀川が指し示した相愛互助の協同組合主義による「第三の道」はいま、改めて注目されます。本書の読者にこれらのことを幾分でも感じ取っていただければ、誠に幸いです。

 ラジオ放送の企画(二〇〇九年四~九月、毎土曜日夜)については、キリスト教放送局日本FEBC(吉崎恵子代表)の協賛をいただきました。ご多忙の中、講演をお引き受けくださった先生方に感謝します。また、困難な出版事情のなか、本書の出版をご快諾くださった渡部満教文館社長およびお世話下さった出版部の倉澤智子さんに感謝いたします。

   二〇〇九年三月一〇日
                             加山久夫



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