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KAGAWA GALAXY 吉田源治郎・幸の世界(32)

シュバイツァーの顔

   第32回 シュヴァイツァーと吉田源治郎(1)

上の写真は、1925(大正14)年9月、警醒社書店より出版した、吉田源治郎の翻訳書:アルベルト・シエワイチエル著『宗教科学より見たる基督教』の巻頭にあるシュヴァイツァーの写真である。これは、シュヴァイツァー夫人から、同年4月、源治郎のもとに送られてきたもので、シュヴァイツァーの生誕は1875(明治8)年であるから、これは50歳頃のものである。

シュヴァイツァーは20代にすでに『カントの宗教哲学』『メシアと受難の秘密』などを、そして30代には『バッハ』『ライマールスよりヴレーデまで(「イエス伝研究史」に改題)』などで注目されていたので、彼の写真も日本国内でも早くから知られていた筈であるが、シュヴァイツァーの著作で纏まったかたちの邦訳は、吉田源治郎が最初ではないかと言われるので、ひょっとしてこの写真は本邦初公開のものかも知れない。

シュヴァイツァー(Albert Schweitzer)に関しては改めて記すまでもないが、彼は源治郎より16歳ほど年上で、1965(昭和40)年に90歳でその生涯を終えている。

神学・哲学・医学をはじめ、ゲーテやバッハの研究なども有名で、オルガン奏者としてもよく知られている。彼のオルガン演奏、ことにバッハの演奏は日本でもレコードになり、私たちでさえあの響きは長く親しませていただいてきているものである。

彼は晩年も、ランバレネにおいて医療活動を展開し、1952年にはノーベル平和賞を受賞したことなどは周知のことである。神戸・風月堂のゴーフルが好物で、ランバレネを訪れる日本人は、いつもゴーフルを持参していたというのは、逸話の一つである。

       賀川豊彦編著『基督伝論争史』大正2年

さて、「シュヴァイツァーと吉田源治郎」について学び始める場合、最初に取上げておかねばならないのは、賀川豊彦が「神戸貧民窟にて」書き下ろした最初の学術書として知られる『基督伝論争史』である。
        
本書は第一篇「シュワイチェル『ライマラスよりウレーデまで』を取上げ、第二編で「シュワイチエル以後」、第三編に「日本におけるキリスト伝の歴史」を纏め、353頁の大型上製本として完成させた労作である。

マヤス博士に献呈されている本書は、前年(大正元年)に処女作『友情』を出版し、続いて本書の刊行と時を同じくして『預言者エレミヤ』(いずれも児童向けの作品)を、地元神戸の「福音舎書店」で出版した。

基督伝表紙

謹呈文字

本書の奥付を見ると「印刷所」は「神戸市吾妻通3丁目17番地屋敷」とあり、賀川の住み込んだ長屋とは近く、「芝ハル」は、この印刷所では働きながら、賀川や武内たちの「救霊団」の活動に加わり、本書の刊行された時は、二人は新婚生活をこの場所でスタートさせて直ぐの時である。

ここに取り出して置くのは、「無学と貧乏と病気と繁忙の中に此書が出来た」という言葉ではじまる本書の「序」である。

賀川はこの後直ぐ、もう一つの学術的意欲作となったあの『貧民心理之研究』を、ハルの手も借りながら仕上げ、翌年(大正3年)豊彦は米国プリンストンへ、ハルは横浜共立女子神学校での研鑽へと旅立つのである。

序1

序2

序3

既に触れてきたように、吉田源治郎は妻子を伊勢に残して、米国ニューヨーク州オーボルン神学校での学びのため、1922(大正11)年秋日本を離れ、1924(大正13)年5月にはB.Dの学位を得て卒業しました。

この年、7月24日に脱稿したという源治郎の「シュワイチエルの『原生林の片隅にて』を読む」(今回の冒頭に挙げたシュヴァイツァーの源治郎による邦訳書に「付録」として収められたもの)をここで紹介するのが、時の経過からすれば適切である。

しかし、ここまで「賀川とシュヴァイツァー」の関わりを見てきたので、今回の最後はやはり、『雲の柱』第5巻第2号(大正15年2月25日)に特集された特別号――これには<「イエスの秘密」号>としてシュヴァイツァーの著作『イエスの秘密』の翻訳が一挙に掲載された――の巻頭に収められた賀川の短い文章「シュワイチエルの『イエスの秘密』に就いて」を、取り出して置く。

ここには吉田源治郎のことにも少し触れられているが、シュヴァイツァーのこの著作は彼の初期の作品の中でも有名なもので、複数の邦訳書もある。

次回において、源治郎の『原生林の片隅にて』を見ておこう。

     (2010年7月16日記す。鳥飼慶陽)(2014年7月10日補正)

雲の柱1

雲の柱2

雲の柱3
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