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KAGAWA GALAXY 吉田源治郎・幸の世界(41)

イエスの友

    第41回  四貫島セツルメントと吉田源治郎(1)

     帰国後の新しい住まい

源治郎の留学中、幸と子どもたちは故郷伊勢で過ごしたこと、そして幸はそこでミス・ライカーの依頼に応えて、常磐幼稚園の教諭として働いていたことなどについては、第31回で触れたが、源治郎の帰国に合わせ、幸はこの幼稚園を大正14年7月で辞し、どういう経緯からかわからないが、帰国後の新しい働きに備える場所として相応しいと思われた場所として、甲子園球場近くの今津駅(現在の久寿川駅)からそう遠くないところを選び吉田一家の新しい住まいとした。

既述の通り、源治郎は米国留学のあと賀川の欧州の旅にも同伴したが、経費の関係もあって、ひと足早く帰国することになったのであるが、『雲の柱』の大正14年8月号の「編輯室にて」をみると、「永らく米国オーボルン神学校に留学中の吉田源治郎志氏も本月初旬帰朝された。本誌の発展に就いても特別の尽力を下さる筈」とあるので、源治郎の帰国は1925(大正14)年7月初旬であったことが判る。

恐らく源治郎は帰国後すぐ、伊勢で留守を守っていた家族の元に戻り、そこで新たな生活の場所を探し当てて、上記の家を借りたのであろう。

因みに、賀川の方も7月22日に帰国している。

     第3回イエスの友会全国大会夏季修養会(7月30日~8月3日・御殿場東山荘)            
冒頭に掲げた「修養会」の案内は、大正14年7月14日発行の「イエスの友会報」第14号のものであるが、賀川の帰国に合わせて、ほぼ1週間後に開催されている。

賀川は「欧米の社会と基督教」と題する開会講演の後、「イエスの福音と社会改造運動」(全4講義)を行い、吉田源治郎も「欧米基督教徒の社会事業」について講じている。

「記録」によれば、このとき「会」の「主張」が25項目上げられ、論議されている。そして「感想」も収められていた。

大会記録

この修養会を終えてすぐ、「1925年8月8日 東京本所キリスト教産業青年会バラックの一隅にて」という「訳者のことば」を書き上げ、シュヴァイツァーの著作『宗教科学より見たる基督教』の翻訳書を警醒社書店より出版したことは、「シュヴァイツァーと吉田源治郎」の項で触れた通りである。

      『雲の柱』への寄稿論文

さて帰国後すぐ源治郎は、賀川と共に四貫島セツルメントの開設に向けた準備に奔走することになるが、今回はその前に、先の『雲の柱』で同年10月号の「編輯室より」に次の記述が目にとまったので、源治郎の『雲の柱』への寄稿論文に少し触れて置きたいと思う。

源治郎は、米国留学前に創刊された『雲の柱』の創刊当初から編集・執筆に携わった経緯などについても既に簡単に触れたかと思うが、この月刊誌を一層充実したものにする意欲は、並々ならぬものがあったように見受けられる。

その「編輯室より」には、こう書かれている。

 「サイドカーの顛覆から、一時臥床の人となられた賀川主筆も、本誌の校了時分には、もう平気で再びサイドカーに乗って、編輯室を訪ねられた。「来月からは、雑誌に一層力を入れて、華々しく活動しませう」と、稟ゝしい勇気をコールテン服に包んで力強く語られる。帰朝来多忙で、本誌に充分の意を注ぐことの出来なかった主筆は、来月より、村島、吉田、鑓田の諸兄を両翼に回天の意気を以て本誌の刷新に尽力をされる筈。」と。

3人の編輯陣も頼もしいが、帰国した源治郎への期待も大きく、実際に源治郎は、それに応えて、10月号に「初代基督者の友愛と互助―基督教的兄弟愛運動史の序曲」、12月号と翌年1月号に「旧約聖書の社会思想―基督教社会運動の序論としてみたる―」(一)(ニ)、3月号と4月号に「キリスト愛の浸潤―愛の組合運動としてのキリスト運動史の考察」、6月号に「英国労働運動の宗教的背景―基督愛運動史の一節として考察したる」、9月号に「農村伝道者としてのジャン・フレデリク・オバーリンの歩み―隣人愛に燃ゆる村落牧師の一生」と、次々と注目すべき論文を発表していくのである。

先日(7月28日)、神戸の「賀川ミュージアム」を訪ね、源治郎の執筆した上記の論文などを、少々コピーさせていただいた。

『雲の柱』は表紙に「賀川豊彦個人雑誌」とあるように、賀川の論文が大半を占める中、源治郎の諸論文は、賀川とは一味違う趣きを感じさせるものがある。

賀川にはいつも荒削りな独創性が漲っているが、源治郎の場合は、当時の欧米の諸成果を日本に翻訳・紹介するところに主眼が置かれているとはいえ、源治郎らしい学術的な内容の論文である。

ここでは吉田論文を全て取り出して置くことは出来ないので、帰国後最初に発表した論文「初代基督者の友愛と互助」だけをあげて置きたい。不手際で最後が欠如しているがご容赦を。

   (2010年8月7日記す。鳥飼慶陽)(2014年7月20日補記)

吉田論文1

吉田論文2

吉田論文3

吉田論文4

吉田論文5

吉田論文6

吉田論文7
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